【代表挨拶】

虚空塾は平成二十一年に大東流を指南する道場として生まれ、約十年間、道場生募集は所在地の京田辺市とその周辺の山城地域でのチラシによる告知のみで、大道場でなくとも本物を求める人々の隠れ家的道場を目指し密やかに活動して来ました。私自身も一修行者として己の技を磨き高めることに執心しがちで、少数精鋭の道場で満足していた側面もありました。しかし時は流れ現在の虚空塾は大東流に加え直心影流や修猷館京都支部として黒田藩傳柳生新陰流も学べる道場となり存在意義も当時より大きく変わって来たのです。


その変化の中で私自身の思いも変わり、この先十年、二十年、いや、その先百年後のこの国や世界に我々日本人の祖先、先達が守り継承して来た真の世界遺産とも云える日本武芸を一人でも多く、より沢山の人々に引き継いで貰うべきではないか、そう考えるようになったのです。今般、道場開設から十年近く経て初めてHPを開設致します。道場のある京田辺市虚空蔵谷は一説によると能の観阿弥・世阿弥が観世能を発祥させた土地とも云われており、能と日本の古流武芸の関係はその術理との関係のみならず歴史的な関係も深いとされています。そのような縁も感じさせる場所で多くの人々が学びの機会を得、日本武芸の本質と真実に迫り虚空塾の諸流儀を後世に引き継いでくれればと願っております。

 

        虚空塾代表  大隈 慈景